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2015-02-20

VOICE #4:五嶋英門さん

USER'S VOICE 五嶋英門さん

―なぜキワマリ荘(*水戸芸術館のプロジェクトで始まった水戸の複合的なアートスペース)管理人に?

(音楽活動などを経て、バトミントンにはまり)バトミントンを3年くらいやっていて、そろそろ生産的なことをしようと思い、絵を書き始めて、ブログにアップしたりし始めました。海外に向けて絵を紹介するサイトに結構取り上げられたりもしましたが、それでなんとかなるということもなかったんです。そのうち、水戸芸(水戸芸術館)の設営の仕事をしていた友達から、キワマリ荘で今度展示をするので、一緒にやりませんかと誘われて展示をしたのが、キワマリ荘に関わることになったきっかけです。そこからたびたびキワマリ荘に入り浸るようになって、管理人になったと。

―管理人の役目はどんなことなんですか?

お恥ずかしいことなんですが、いまだに、管理人が何をするのかわかっていないんです(笑)。掃除もみんなそれぞれがしてくれますし、共有スペースも、そこでのイベントを企画したその人が掃除しますね。掃除もあまりしてない(笑)。家賃の取り立てくらいかな。みんなあまりお金がないので、バッファーですね。僕が払って、あとでみんなから集めるという、けっこうつらい・・・(笑)

―キワマリ荘はどのような場所なのですか?

もともとは有馬かおるさんというドローイングの作家さんが、2007年に水戸芸術館のプロジェクトとして始めたもので、有馬さんは愛知でキワマリ荘をやっていて、アートプロジェクトとして、最長2年水戸でやるというものだったんです。家を借りて、そこをギャラリーにするというのをやって、2年経って、有馬さんが水戸を離れることになって、潰すのはもったいないから、ということで、その場にいた中から、私が選ばれて管理人になりました。基本的には6人でそれぞれの区画を担当してギャラリーなどを運営しています。結構広いですね。デザイン事務所と、暗室と、ギャラリーが2つ、一番広いところが共有スペースになっていてイベントとかトークをやっています。

―運営上で難しいのはどんなところですか?

他にギャラリーなどを運営したことがないので、(ギャラリー運営の難しさについて)わからないんですが、地方のかなり衰退した街なので、人がいないのが一番の問題ですね。来てくれる人はいつもだいたい同じ人ですね。著名な作家を呼んだりすると、かなり遠くからもきてくれるということはあるんですが。

―水戸芸術館とはどんな感じで連携しているんですか?

いい感じで連携しているんです。学芸員実習のカリキュラムの一つになっていたりするんです。夏の暑い日に若い大学生がきて、キワマリ荘の成り立ちとかを結構2・3時間かけて説明して、そのあと飲み会するみたいな感じです。もう4回か5回くらいやっていますね。水戸芸術館の学芸員の人とは、前から設営の仕事とかをやっていたので知り合いだったんです。友達というか。水戸芸の企画展のオープニングの3次会くらいがキワマリ荘で、よっぱらってみんな来る。世界的に有名なアーティストがキワマリ荘で酒飲んでたり、ということもよくあって。いくところがなかったらキワマリ荘いくか、という感じが水戸芸のひとにもちょっとあるみたいで(笑)。

―キワマリ荘の運営で心がけていることはどんなことですか?

(いままでになかった)新しいシーン(表現する人たちが集まって盛り上がっていくような状況)を作ろうとしているほど熱っぽくはないんですが、自分たちが興味をもてることを追求していけば、なにかそれに呼応する人がでてきてくれたらいいなあという感じですね。みんな絶対来いよ、みたいな感じは暑苦しいし、僕が言われる立場だったら嫌だし。そこまではしないけれど、だんだんと自分たちがやりたいことをやっていけば、そういうシーンができるんじゃないかな。まだ人が少ないのでできていないですけど。目標に向けて綿密に準備して一つの正解に向かっていくというような形じゃなくて、結果が思っていたことと違ってもそれはそれで受け入れていくというか。(個人的に心がけているのは)あんまり熱くならないということかなあ。キワマリ荘全体的にそういう空気はありますけどね。イベントをやるにしても、人がたくさん来てくれれば、嬉しいし、お金にもなるのでいいんですけど、(そのために無理をするよりも)自分が見たいイベントをやれば、もし、人か来なくても、ダメだったか・・・とならないで済むし。だからあくまで、自分が呼びたい人を呼び、見たいイベントをやるというところですかね。

USER'S VOICE 五嶋英門さん

―文化活動と経済効果の関係をどう考えますか?

さまざまな企業が、(文化的な活動でない別の部分で稼いだお金を)文化活動の支援に使うという形がいろいろあります。投資ということもあるのでしょう。文化のことにお金を使うのに、文化の中から捻出するということに無理があるような気がします。自分たちのことで言えば、やはり(自分たちの文化活動のなかからお金を稼ぐということでなく)他のことからお金をもってきて、そのお金でキワマリ荘の運営やイベントを立ち上げるというのが一番いいんじゃないかな。

―東京と地方都市でのアート活動をやっていくことの違いはどんなところでしょうか?

僕は東京で活動したことがないので、詳しくはわからないんですが、クオリティでいったら、東京の方がダントツ圧倒的なのは当然なんですけど、それはそれで、参照しつつ、参照程度で。東京の人たちはそれなりにふれあいもあるんでしょうけど、東京の恵比寿の恵比寿文化祭というのがあって、恵比寿のガーデンプレイスのところで、恵比寿に住んでいる人たちが踊りを踊ったり絵を書いたりするようなことがあって。やっぱり(東京でも)小さい町のコミュニティが強かったりするんですよね。

―小さなコミュニティでのアートの可能性が結構あるということでしょうか?

(ちいさなコミュニティの人たちが相互に)出かけて行った先で交流をもって友達になって、なんかイベントをする、鍋とかでもいいんですけど、そういう関係の中から(粘菌とかのように)菌糸をのばすというか、(そうしてさまざまなネットワークが生まれて)どこかが死んでしまっても、他の部分が生きているというか。そういうネットワークが、限界集落だろうが、大都市だろうが、どこへでも広がっていくようなイメージでしょうか。

―(文化における活動も)中心があって、それに従ったりそれを介在することで生かされていると、中心が死んでしまうと他もみんな死んでしまう。そうではなく、それぞれの自律的な動きがあって、勝手につながって、広がっていって、どこかがダメになっても他が代わりになるというような、インターネットのようなイメージですね。

そうです。(文化における)中心というものはもうない、と思っています。

五嶋英門さんプロフィール

VOICE #4:五嶋英門さん

茨城県水戸市出身。ヒップホップのトラックメイカーとして活躍。その後、美術にも活動の場を広げる。2007年ユニクロクリエイティブアワード入選。水戸芸術館のアートプロジェクトとして始まったキワマリ荘に関わり、2009年、キワマリ荘管理人に就任。水戸芸術館での大友良英「ENSEMBLES-共振-」にコラボレーション展示。2012年より茨城県近代美術館ミュージアムショップを運営。現在、ya-ginsにて個展「マスター/スレーヴ」開催中。

VOICE #4:インタビュー完全版(13min)

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USER’S VOICEは、前橋のまちなかのさまざまな場所で活躍されている方に、その場所の使い方や、前橋での文化を発信していくことなどについてお聞きするインタビューシリーズです。インタビュアーはステージコミッショナーの藤橋 誠、毎月一回不定期更新で配信予定です。

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